ブレストでの盛り上げ方とまとめ方 ファシリテーション技術

ブレストで発言してもらうためのファシリテーション

ブレストの議論に入る前に、すこし思い出してみてください。

小学校のクラスで、手を挙げて答える子はたいてい決まっていませんでしたか?
積極的に発言する人とそうでない人というのは大人になってからも変わらないものです。だからと言ってなにも思っていないかというとそんなことはない。一対一で話すととても考え深い人だったり豊富な知識を持っている人だということがわかったりします。
しかし集団の中ではどうしても勢いのある人、話すのが上手な人、好きな人、そのことに対して言わずにはいられない人等が優先して話をしてしまいがちです。

では、社会人となって、人はなぜブレストをするのか。

それは色んな人が意見を持ち寄って集まり、お互いの意見を出し合って議論し、みんなで結論を出していくことに意義があるからでしょう。
そして、そのまとめ役として議長=ファシリテーターが存在しているのです。

とても活発で有意義だったと思えるブレストとそうではないブレストがあります。その違いはいかに全員が会議中に発言をするか、つまり意見を交換しあうかにかかってきます。
誰も発言しない状態が最悪なのはわかりますよね。

では10人の参加者がいて、ファシリテーターと、10人のうちのよく発言する2~3人だけで議論を進めたらどうでしょうか。後の7人は傍観者になってしまいます。傍観者でも会議の参加者ですから、決定したことに対しては責任も発生します。自分の思った方向の結論に行かなくても合議に関わったことになります。

会議の理想は参加者全員が発言をし、それに対して疑問をぶつけたり反対意見を出したり、時にはフォローしたりして、全員で結論を導く形です。そのために、ファシリテーターが存在しているのです。

ブレストとは何か?ブレストの意味と進め方を知らないと、時間の無駄遣いになりますよ!

ブレストでは「話を振る」ファシリテーションが効果的

では実際、ファシリテーターはどのように振舞えばいいのでしょうか。
それは実に簡単で、参加者に話を振ることです。

例えば、Aさんから質問があったとします。ファシリテーターはそれをBさんに振ります。それに対してCさんが異論を唱えます。それに対してファシリテーターは、Dさんに意見を伺います。

このようにして参加者全員に話が回るように、上手く意見を引き出せるようにしてあげるのです。複数の人の中で話を切り出すのは勇気がいります。話し始めたのに声の大きい人や勢いのある人に遮られてしまうこともあります。そのような発言機会の不公平がないように、ファシリテーターが上手に回してあげることが大切です。

ファシリテーターの存在は自分の意見を言うことではなく参加者の意見を引き出すことです。これが上手にできれば参加者同士の意見交換がスムーズに行われ、会議の進行が良くなります。また各々の参加者にも自覚が生まれるので、自分事として会議に参加します。そこで出た結論にも納得がいきます。結果として不満が残らない結論が導きだせるのです。

ブレスト参加者全員の理解を促す

ひとつの議題に対して単純にYESかNOかを決めるだけなら、多数決で行えばいいことです。しかし、なぜ人がわざわざ時間を割いて一つの場所に集まり意見をぶつけ合うのかと言えば、その意見、アイデアの根拠となった背景にあるものを相互に理解するためです。

その考えに行きつくまでにはその人の経験や知識や価値観等、多くのものが詰め込まれています。アイデアとか意見は水面に出ている「氷山の一角」にすぎません。

ファシリテーターはその氷山の下に潜む背景を参加者が共有するための役割を担っています。自分だけが理解すればいいわけではないので、疑問に思うことを引き出したり、それをまた他の人に振ったりすることで、議題がいつしか共有され、より深い部分での相互理解が出来てきます。そのうえで出した結論であれば参加者全員が納得できるといえるでしょう。

合意形成には「振り返り」が効果的

子供の頃先生に、「勉強は予習、復習が大切だ」と言われた覚えはあるだろう。九九だって授業が終わってからも繰り返し唱えたし、漢字も何度も書いて覚えたものだ。復唱したり書くことによって覚え、体や能に定着する。それは何も勉強には限らない。習い事でも同じように、習ったことをうちに帰ってから繰り返して覚える。

社会人になってからもそれは変わらない。上司や先輩から仕事を教えてもらう時にはメモを取り、覚えて真似してやってみて自分のものにしていく。一度やったら先輩にどうだったか感想を聞いたりすると、自分では気づかなかった悪い点や足りなかったこと、効率の悪かったことなどがわかるはずだ。逆に自分ではイマイチだなと思っていたことが先輩の気づきにもなったり、自分では思っていなかったところを良かったと褒められたりもする。そうやって振り返ることで意識が高まっていく。

このように何かを進めて行く時はたいてい振り返って復習や反省や軌道修正をしていくものだ。

ところであなたの会社は、会議が終わった後でその会議を振り返っているだろうか。
もちろん、会議となれば議長となる人がいて議題に沿って進行していくだろうし、最後に結論と、次回の日程の確認や持ち越しの内容等を確認することはやっているだろう。
しかし、会議そのものの良し悪しについては案外見落とされていないだろうか。

例えば、「議長はスムーズに進行できていたか」「会議は予定の時間内で上手く進行していたか」「みんなが納得する結論が出たか」「ひとりだけが一方的に意見を述べたり反対意見を出しにくいような空気はなかったか」等、皆で話しあうことはあるだろうか。

恐らくそんな組織は少ないだろう。終わるとすぐにみな元の仕事に戻ったり次の用事に向けて切り替えたり、やっと終わったという緊張感からの開放を楽しんで息抜きをしたり。
もちろんひと通りの結論が出たのであればそれはそれで会議の成果はあったと言えるが、もしかしたらその会議はもっと効率よく、もっとよい結論を導き出すことができたかもしれない。

もし会議の進行がいまいちでも、「ま、いっか」「こんなもんだよな」「とりあえず、なんとか終わってよかった」「落ち着くところに落ち着いたな」とお茶を濁し、一晩寝たら忘れるのではないだろうか。そして次の会議が近づいてくると、あの時のちょっといやだった気持ちが蘇り、重たい足を引きずりながら会議に参加する・・・案外その繰り返しだったりする。

しかし、この、前の状態がすっきりしないまま次のステップに進むというのは考えてみるとおかしなことである。例えば料理をして食べた後、流しに洗い物をためたまま次の日の食事の準備をするようなものだ。家庭なら許されることでも、一流レストランではあり得ないこと。必ずその日の汚れはその日のうちにリセットして、翌日はきれいな厨房で仕込みを始めるだろう。

職種は違っても、一流のサラリーマンを目指すなら、ひとつひとつの仕事にも振り返りをしてリセットしたいものである。

会議の途中で「部長の話長いなあ」とか、「さっきも同じ意見聞いたよ」とか、「そんなのちゃんと確認してから出席しろよ」とか、「資料、印刷しなくてもいいのに」とか想いながら参加している人はあなただけではない。

すでにファイルでもらっている資料を気を利かせてプリントしておいたら同じものが会議で配られたりすることもある。ペーパーレス化と叫ばれているに膨大な資料が積まれていることもある。中途半端な議論や重箱の隅をつつくような意見の応酬で時間が費やされることもある。

議題に直接関係のないと思われるようなことでも、会議そのものの「質」を高めるためには、まずは目の前の会議を振り返ってみることをおススメする。そのことにより、いい会議か悪い会議かの判断ができる。ひいては自分の仕事を効率化し質を上げることに繋がる。

振り返りのコツは「自然体」

では実際にどのような形で会議を振り返ればいいのだろうか。実はいたって簡単で、会議で思ったこと、感じたことを参加者同士で話合うだけである。
「資料が簡潔にまとまっていてわかりやすかった」「議長の進行がスムーズだった」「○○さんの反対意見は話が本題と逸れてたように思う」「あのテーマは今日もう少し詰めてもよかったんではないかな」「部長の最初の挨拶・・・長すぎ」「○○さんの意見で空気変わったね」「途中で膠着状態になった時、休憩入れてもよかったのでは」
等と自由に意見が言えればいい。

更にそれを「良かった点」「悪かった点」という形でまとめてみると、会議の良しあしがもっと明確になる。

◆よかった点

  • 資料がわかりやすかった
  • 進行がスムーズでよかった
  • 流れを変える意見が出た

◆悪かった点

  • 本筋と逸れる意見が続いた
  • 時間内でもう少しテーマを深堀できたように思う
  • 最初の挨拶が長すぎた。
  • 一旦休憩時間が欲しかった

このように、議題とは別に会議そのものの感想を話合うことを会議の最後に、もしくは会議が終わった後でちょっと話合うだけで、次の会議の質が上がっていくのを感じることができるだろう。

議論のまとめ役を「最初に決めておく」のも効果的

会議の振り返りは全員で行う必要があるわけではない。

例えば会議でよく発言をする人とそうでない人がいるだろう。
その会議であるテーマについて話さなければいけない担当者、ではない立場の人に、その会議の振り返り役をふっておくと、冷静な目で会議全体を観察出来る。当人にとっても、時分がその会議で果たす役割を与えられることにより自覚が出るし、より真剣に会議そのものを見つめたり俯瞰することができる。そこで得られた気づきがその後の会議に活かされるだけでなく、その人の経験としても活かされるに違いない。

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